親が亡くなり、突然実家や土地を相続することになったとき、「何から始めればよいのかわからない」と悩む方は少なくありません。
特に、次のようなお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
- 実家を相続したけれど、誰も住む予定がない
- 兄弟で不動産を相続することになり、話がまとまらない
- 相続した家を売却するには何が必要?
- 古い家でも売れるのか知りたい
- 相続登記や税金について詳しくわからない
不動産の相続には、通常の不動産売買とは異なる手続きや注意点があります。
この記事では、相続した不動産をどうすればよいのか、必要な手続きから売却方法、税金、失敗しないためのポイントまで、わかりやすく解説します。
1. 不動産を相続したら、まず何をすればよい?
不動産を相続した場合、最初に行いたいのは「相続人の確認」「財産の確認」「不動産の今後の方針を決めること」です。
① 誰が相続人になるのか確認する
亡くなった方の戸籍謄本などを取得し、法律上の相続人を確認します。
例えば、父親が亡くなり、母親と子ども2人が相続人になるケースでは、原則として3人で遺産分割について話し合います。
遺言書がある場合は、その内容や法的な有効性も確認する必要があります。
② 不動産の情報を確認する
相続した土地や建物について、次の情報を調べます。
- 所在地、土地面積、建物面積
- 登記上の所有者
- 住宅ローンなどの借入れの有無
- 固定資産税の金額
- 現在の市場価格
特に重要なのが、相続した不動産が現在いくらで売れるのかを知ることです。
例えば、家族が「古い家だから価値がない」と思っていても、土地に十分な価値がある場合があります。
反対に、売却金額より解体費用や維持費などが大きな負担になる物件もあります。
早い段階で不動産会社に査定を依頼し、市場価格を把握しておくことをおすすめします。
2. 相続した不動産は売却・賃貸・保有のどれがよい?
相続した不動産には、大きく分けて3つの選択肢があります。
① 売却する
誰も住む予定がない実家や、遠方にある土地などは、売却を検討する方法があります。
メリット
- 現金化でき、相続人同士で分けやすくなります
- 固定資産税や管理費などの将来的な負担を減らせます
- 空き家の管理や老朽化の心配がなくなります
デメリット
- 一度売却すると、その不動産を取り戻すことは難しくなります
- 売却に伴う費用や税金が発生する場合があります
② 賃貸に出す
立地や建物の状態によっては、賃貸住宅として活用する方法もあります。
メリット
- 家賃収入が期待できます
- 不動産を保有しながら活用できます
デメリット
- 修繕費用や設備交換費用が発生します
- 入居者が見つからない可能性があります
- 管理業務や税金の負担が続きます
③ そのまま保有する
将来、自分や家族が住む予定がある場合は、保有する選択も考えられます。
ただし、誰も住まない状態が長期間続く場合は注意が必要です。
建物は使わなくても老朽化が進み、固定資産税や維持管理費が発生し続けます。
将来の利用予定が明確でない不動産は、売却した場合と保有した場合の費用を比較して判断することが重要です。
3. 相続登記は義務化!放置するとどうなる?
2024年4月1日から、不動産の相続登記が義務化されました。
相続登記とは、亡くなった方の名義になっている不動産を、相続した方の名義に変更する手続きです。
原則として、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記する必要があります。
正当な理由なく義務を怠ると、10万円以下の過料が科される可能性があります。
また、2024年4月1日より前に相続した不動産も対象です。以前から相続したことを知っていた未登記の不動産については、原則として2027年3月31日が期限となります。
相続人同士で話がまとまらない場合などには、「相続人申告登記」という制度もあります。ただし、この制度だけでは遺産分割成立後の登記義務まで完了するわけではありません。
登記手続きが複雑な場合は、司法書士に相談するとよいでしょう。
4. 相続した家は古くても売却できる?
「築40年の実家だから売れないのでは?」
「室内に家具が残っていて、片付けが終わっていない」
このようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃいます。
しかし、建物が古いからといって、必ずしも売却できないわけではありません。
例えば、建物の価値が低くても土地に需要があれば、売却できる可能性があります。
また、建物の状態によっては、リフォームを前提とする買主や、不動産買取会社が購入を検討する場合もあります。
売却前に解体やリフォームをするべき?
必ずしも必要ではありません。
先に多額の費用をかけて解体・リフォームを行っても、その費用を売却価格に上乗せできるとは限らないためです。
例えば、解体費用に200万円かかったとしても、売却価格が200万円高くなるとは限りません。
まずは現状のままで査定を受け、解体した場合と比較することをおすすめします。
5. 相続した不動産を売却するまでの流れ
一般的には、次のような流れで進めます。
STEP 1:相続人と不動産の状況を確認する
戸籍や登記事項証明書などを確認し、相続関係を整理します。
STEP 2:不動産会社に査定を依頼する
不動産の売却予想価格や、販売方法を確認します。
STEP 3:相続人同士で売却方針を決める
誰が不動産を取得するか、売却代金をどう分けるかなどを話し合います。
STEP 4:相続登記を行う
遺産分割の内容などに応じて、必要な名義変更を行います。
STEP 5:売却活動を開始する
購入希望者を募集し、条件を調整します。早期売却を優先する場合は、買取も選択肢になります。
STEP 6:売買契約・引渡し
契約締結後、決済と引渡しを行います。
相続人全員の協力が必要なケースも多いため、売却活動を始める前に方針を整理しておくことが大切です。
6. 不動産を相続したときにかかる税金は?
相続不動産に関係する主な税金には、相続税、売却時の譲渡所得税・住民税、固定資産税などがあります。
相続税
相続税には、次の基礎控除があります。
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
例えば、法定相続人が3人の場合、基礎控除は4,800万円です。
正味の遺産額が基礎控除額を超える場合には、原則として相続税の申告・納税が必要です。
相続税の申告期限は、通常、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。
売却時の税金
相続した不動産を売却して利益が出た場合には、譲渡所得税や住民税が発生する可能性があります。
一般的な計算は以下のとおりです。
譲渡所得 = 売却価格 − 取得費 − 譲渡費用
取得費は原則として亡くなった方の購入金額などを引き継ぎます。取得費が不明な場合などには、売却金額の5%を概算取得費とする方法もあります。
売却価格そのものに税率がかかるわけではないため、購入時の契約書や領収書などが残っている場合は大切に保管してください。
相続した空き家の3,000万円特別控除
一定の要件を満たした相続空き家を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。
ただし、すべての相続不動産が対象となるわけではありません。
主な要件には、建築時期、亡くなった方の居住状況、売却時期、売却価格などがあります。
2024年以降の売却では、対象不動産を取得した相続人が3人以上の場合、控除上限が2,000万円となります。
また、相続税を納めた方には、一定の相続税額を取得費に加算できる別の特例が適用される場合もあります。
税制優遇を受けられるかどうかは、売却前に税理士などに確認することをおすすめします。
7. 兄弟や親族で意見が合わない場合は?
相続不動産のご相談で難しい問題の一つが、相続人同士の意見の違いです。
例えば、次のようなケースがあります。
- 長男は実家を残したい
- 次男は売却して現金で分けたい
- 長女は遠方に住んでいて管理できない
このような場合は、まず不動産の査定価格を把握することが解決への第一歩になります。
市場価格がわかれば、売却する場合だけでなく、一人が不動産を取得して他の相続人に金銭を支払う方法なども検討しやすくなります。
なお、共有名義にすると、将来の売却や管理に関する意思決定が複雑になる可能性があります。
相続人同士の対立が深刻な場合には、弁護士など専門家への相談も必要です。
8. 相続した空き家を放置するリスク
相続した実家を誰も使わず、そのまま放置しているケースもあります。
しかし、空き家を所有し続ける場合には、次のような負担があります。
- 固定資産税などの支払い
- 雨漏りや建物の劣化
- 庭木の繁茂や害虫の発生
- 防犯上のリスク
- 近隣住民への迷惑や損害賠償のリスク
特に、遠方に住んでいる場合は、定期的な管理だけでも負担になることがあります。
相続した家を今後使う予定がないのであれば、早めに売却や活用の可能性を調べておくことが大切です。
9. 不動産相続でよくある質問
Q. 相続登記が終わっていなくても査定してもらえますか?
はい。査定自体は、相続登記が完了していなくても可能です。
まずは現在の市場価格を把握し、必要な相続手続きを確認するとよいでしょう。
Q. 家財道具が残ったままでも売却できますか?
物件の状況や買主との条件によりますが、家財道具が残っている段階でも査定や売却相談は可能です。
片付ける前に不動産会社へ相談することで、不要な費用を抑えられる場合もあります。
Q. 相続人が複数いても売却できますか?
売却は可能ですが、誰が不動産を取得するか、売却について誰の同意が必要かなどを整理する必要があります。
相続人間の合意状況に応じて、適切な手続きを進めます。
Q. 不動産を相続したくない場合はどうすればよいですか?
相続放棄を検討する方法があります。
相続放棄は原則として、自分が相続人になったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所で手続きを行います。
不動産だけを選んで放棄することはできず、原則として他の財産や借金も含めた相続放棄となりますので、慎重な判断が必要です。
10. 相続した不動産のお悩みは快生不動産へ
相続した不動産については、すぐに売却することが必ずしも正解とは限りません。
大切なのは、現在の不動産の価値を知り、ご家族の状況に合った方法を選ぶことです。
株式会社快生不動産では、東京都・千葉県を中心に、不動産の査定や売却に関するご相談を承っております。
「相続した実家を売るか迷っている」
「古い家なので売却できるか心配」
「相続人が複数いて、どのように進めたらよいかわからない」
このような場合も、まずは現状をお聞かせください。
相続した不動産の売却や査定でお悩みの方は、株式会社快生不動産までお気軽にご相談ください。
株式会社快生不動産
東京都知事(1)第106371号
TEL:03-6222-8906
※本記事は2026年11月時点の制度を基にした一般的な解説です。個別の税務・法律上の判断は、税理士・司法書士・弁護士などの専門家にご確認ください。



